結論:ダウ理論とは、19世紀末に米国のチャールズ・ダウが発表した論説をもとに体系化された、相場の動きを分析するための基本理論です。中でも「高値と安値がともに切り上がっていれば上昇トレンド、ともに切り下がっていれば下降トレンド」というトレンドの定義は、FXのテクニカル分析の土台として広く使われています。
ダウ理論の成り立ち
チャールズ・ダウは、ダウ・ジョーンズ社の創設者の一人で、ウォール・ストリート・ジャーナルの初代編集長でもありました。ダウ自身は理論を一冊の本にまとめたわけではなく、彼の論説を後の人々(ウィリアム・ハミルトンやロバート・レアなど)が整理し、「ダウ理論」として広めたとされています。もともとは株価指数の分析のための理論ですが、現在ではFXを含むさまざまな市場で応用されています。
ダウ理論の6つの基本法則
| 法則 | 内容 |
|---|---|
| 1. 平均はすべての事象を織り込む | 経済指標や需給など、あらゆる情報は価格に反映されるという考え方 |
| 2. トレンドには3種類ある | 長期の主要トレンド、中期の二次トレンド、短期の小トレンドがある |
| 3. 主要トレンドは3段階からなる | 先行期(買い集め)、追随期(トレンドに乗る人が増える)、利食い期(過熱) |
| 4. 平均は相互に確認されなければならない | 複数の指数(当時は工業株と鉄道株)が同じ方向を示してトレンドが確認される |
| 5. トレンドは出来高でも確認されなければならない | トレンド方向に出来高が増えることでトレンドが裏付けられる |
| 6. トレンドは明確な転換シグナルが出るまで継続する | 転換の根拠がはっきりするまでは、トレンドが続くとみなす |
なお、FX(店頭取引)には市場全体の正確な出来高が存在しないため、第5法則はそのままでは適用しにくいとされています。
ダウ理論によるトレンドの定義
- 上昇トレンド:高値と安値がともに切り上がっている状態
- 下降トレンド:高値と安値がともに切り下がっている状態
- レンジ(もみ合い):高値と安値の切り上げ・切り下げがはっきりしない状態
トレンドの3つの段階
第3法則の3段階は、市場参加者の心理の移り変わりとして説明されることがあります。先行期は、多くの人がまだ悲観的な中で一部の参加者が買い始める段階です。追随期は、価格の上昇がはっきりし、トレンドに乗る人が増えて大きく動く段階です。利食い期は、多くの人が楽観的になり、先行期に買った参加者が利益を確定し始める段階です。ただし、リアルタイムで今がどの段階かを正確に判断するのは簡単ではありません。
トレンド転換(ダウ転換)の考え方
第6法則にあるように、トレンドは明確な転換シグナルが出るまで続くと考えます。上昇トレンドの場合、直近の上昇の起点となった安値(押し安値)を下抜けると、高値・安値の切り上げが崩れ、上昇トレンドが終わった可能性が高まったと判断されます。下降トレンドではその逆で、戻り高値の上抜けが転換の目安です。ただし、転換後すぐに反対方向のトレンドが始まるとは限らず、レンジになることもあります。
ダウ理論を使うときの注意点
- どの高値・安値を基準にするかで判断が変わるため、自分の中で定義をそろえる
- 時間足によってトレンドの向きが異なることがあるため、マルチタイムフレーム分析と組み合わせる
- ダウ理論は相場の状態を整理する考え方であり、将来の値動きを保証するものではない
よくある質問
ダウ理論はFXでも使えますか?
トレンドの定義やトレンド継続の考え方は、FXのテクニカル分析でも広く使われています。ただし出来高に関する法則など、そのまま当てはめにくい部分もあります。
ダウ理論の転換シグナルが出たら反対方向にエントリーすべきですか?
転換シグナルは「それまでのトレンドが崩れた可能性」を示すもので、すぐに反対方向へ伸びるとは限りません。だましになることもあるため、ほかの根拠とあわせて判断するのが一般的です。
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