伝説のトレーダー、リチャード・デニスが「タートルズ」に教えたブレイクアウト手法は、ルールがとてもシンプルです。動画ではその「55」という数字を1時間足に応用し、200SMA・400SMAの向きと、3点で意識された水平線のブレイクを組み合わせて、負けにくい形に改良しています。
この記事では、タートルズの話から学べる教訓と、改良したブレイクアウトのルールを、初心者の方にも分かるように整理してお伝えします。
リチャード・デニスとタートルズの話
動画で紹介されているのは、1949年にシカゴの労働者階級の家庭に生まれたリチャード・デニスの話です。17歳で取引所のアルバイトを始めてトレーダーの世界に魅了され、わずかな元手からトレードを始めて、最終的には億ドル単位の資産を築いたとされています。
有名なのは、友人の数学者ウィリアム・エックハートとの「トレードは教えられるのか」という議論から生まれた実験です。集めた普通の人たちに2週間の研修でシンプルなルールを教え、資金を渡してトレードさせたところ、5年で大きな利益を上げたと紹介されています。この人たちは「タートルズ」と呼ばれました。
タートルズから学べる3つの教訓
1. システムは才能を超える
タートルズに特別な才能があったわけではなく、明確なルールに従っただけで結果を出しました。感情に流されず「これをやったらこうする」というルールを作り、それに従うことが大切です。手法選びに迷う方は手法迷子から抜け出すために必要なことも参考にしてください。
2. 正しい教育があれば学べる
デニス自身、株を嫌う家庭で育ちましたが、正しい知識と方法論を学んで成功しました。年齢や経歴に関係なく、学び続ける姿勢が大切だと動画では話しています。
3. 正確な情報の力
情報があふれる今だからこそ、正しい情報を、正しいシステムで運用することが重要です。
タートルズのシステム1とシステム2
動画で紹介されているタートルズのエントリーロジックは、次の2つです。
- システム1:20日間の高値をブレイクしたらエントリー(前回勝っていたらスキップ)、10日で決済
- システム2:55日間の高値をブレイクしたらエントリー(すべてのシグナルを実行)、20日で決済
どちらも「大きな流れに逆らわず、トレンドに従う」という考え方は同じで、期間の長さが違うだけです。ただ、動画で検証したところ、システム1のほうがやや負けやすかったため、今回はシステム2をベースにしています。
1時間足向けに改良したブレイクアウトのルール
日足の55日は期間が長く、すぐに実践で使いにくいので、「55」という数字だけを取り入れて1時間足の55本(55時間)に置き換えています。また、高値だけでなく安値のブレイクも対象にして、ロングとショートの両方を狙えるようにしました。
条件1:200SMAと400SMAの向きと並び
方向を判断するために200SMAと400SMAを表示し、次の条件を確認します。移動平均線の基本も確認しておきましょう。
- ロング:200SMA・400SMAが水平か右肩上がりで、上から200→400の順に並んでいる
- ショート:200SMA・400SMAが水平か右肩下がりで、下から200→400の順に並んでいる
条件2:55時間以上空いた、3点で意識された水平線のブレイク
- 起点からブレイクする位置まで、55時間(1時間足55本)以上空いている
- 起点・1点目・2点目と、合計3点でタッチしている水平線をブレイクする
- 3点はすべてヒゲの範囲に収まっている
水平線(レジスタンス・サポート)の考え方もあわせてどうぞ。
損切りと利確
- 損切り:直近の安値(ショートなら高値)を、ローソク足の実体で抜けたら
- 利確:フィボナッチで値幅を測り、2倍を目安にする
- 1.75倍まで伸びたら、損切りを建値に移動する/7割を利確する/20EMAの実体割れで決済する、など自分に合ったルールを持つ
1.75倍あたりで価格が戻ってくることが多い、という統計データがあったため、このようなルールにしているそうです。損切りを建値に動かせば、価格が戻ってきても損失は出ません。動画では「負けにくさ」を大切にしています。負けが続くと取り戻そうとして資金管理が崩れやすいからです。リスクリワードの考え方も確認しておきましょう。
負けにくくするワンポイント:400SMAとの距離
勝ったケースと負けたケースを比べると、55時間や3点タッチの条件はどちらも同じでした。違ったのは、ブレイクした時点での400SMAまでの距離です。勝ちやすいのは、ブレイク時に200SMAと400SMAが近づいている(価格も収縮している)場面でした。値動きは収縮してから伸びやすいという考え方で、価格が伸びる直前を狙う方法とも共通しています。
アラートで分析時間を減らす
水平線が2点引けた段階で、ラインにアラートを設定しておけば、ブレイクするまでチャートに張り付く必要はありません。エントリー後も、損切りの価格と1.75倍の価格にアラートを設定しておけば、値動きに振り回されずに済みます。分析や利確に時間をかけすぎない仕組みを作ることも、勝つための戦略の1つです。
よくある質問
日足ではなく1時間足で使ってもいいのですか?
動画では、日足の55日は実践で使いにくいとして、1時間足の55本に置き換えて検証しています。時間足を変える場合も、200SMA・400SMAの条件や3点タッチなど、同じルールで過去チャートを検証してから使いましょう。
手法とメンタル、どちらが大事ですか?
動画では「両方大事だが、どちらかと言えば手法」と答えています。連敗が続くと誰でも取り戻したくなるので、そもそも負けにくい手法や仕組みを持つことが先、という考え方です。メンタル面はFXで勝つためのマインドも参考にしてください。
利確は2倍まで待たないといけませんか?
2倍を目安にしつつ、1.75倍で建値に損切りを移す、7割を利確するなど、複数のパターンを持っておくのがおすすめと紹介されています。
まとめ
- タートルズの教訓は「システムは才能を超える」。ルールを作って従うことが大切
- タートルズのシステム2(55日高値ブレイク)を、1時間足の55本に応用する
- 200SMA・400SMAの向きと並びで方向を確認し、3点タッチの水平線ブレイクを狙う
- 損切りは直近安値(高値)の実体抜け、利確は2倍目安、1.75倍で建値ストップなど
- ブレイク時に200SMAと400SMAが近いほど負けにくい
シンプルなルールほど、細かな条件の違いで結果が変わります。ぜひ過去チャートでたくさん検証してみてください。
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